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ありがとうございました! (加筆しました) 2003年11月11日(火)

一瞬のようで、数百年のようで・・・・

いやいや、数百年って事はないですけどね、でも今思い返せば本当にあっという間でした。初顔合わせから2ヶ月半。まるで夢のようでした。ちなみに冒頭の一文は芝居の最後のやす代さんのセリフです。

昨日11月10日(月)の公演をもちまして、「無頼の女房」のステージをすべて終了致しました。御来場くださったお客様のおかげで初日から千秋楽までずっと盛況でした。心より御礼申し上げます。

とにかく無事に千秋楽を終え、今はほっとしています。というより10月下旬からは毎日稽古して本番を迎えてと毎日毎日大橋太郎(僕の役名です)を演じてきたのに、今日突然無くなってしまったことがまだ信じられない、というのが今の正直な心境です。ふとした時に太郎のセリフが口を付いて出てきます。もう公演は終わったのに・・・・不思議なものです。セリフが体に染み付いてしまっているんでしょうね。

さて、今回のお芝居は昭和24年の東京にある作家の家が舞台でした。戦後の混乱から抜けきっていない、当然僕にとっては経験したことのない時代ですから、その当時の人間を演じることにまず難しさを感じました。さらに大橋太郎はとても変わった人物で、そのキャラクター作りには稽古の始まった当初から悩んでいました。果たして大橋太郎をどれほど演じられたかどうかはご覧になった皆さんのご判断にお任せしたいと思います。 もちろん自分なりの反省点も多々ありますので、それは次の舞台に生かしたいと思っています。

この舞台ではとか生きるということを深く考えさせられました。舞台終盤に、長崎で原爆のキノコ雲を見たという五助が書いた文章を太郎が読み上げます。拙(つたな)いけれど素朴でとても力強く、感謝と希望に満ちた、まさにこの芝居を集約したような文章です。
皆さんはどうお感じになられたでしょう?昨今の悲惨な殺人事件の数々を思うと、命が何であるかをもう一度よく考え直してみる必要があると思います。そしてそれを自分の子供たちに教えていってやることが、僕らの務めなのではないかと強く思います。

お礼が遅くなりましたが、この6日間、お足元の悪い中、また遠方より多くのお客様にお運び頂きまして、本当に有難うございました。いままで皆さんに直接お会いする機会が皆無に等しかったので、短い時間ではありましたが皆さんの生の声を聞かせて頂けて、とても嬉しかったです。自分がこうして頑張っていけるのは皆さんお一人お一人の応援のおかげなのだと、本当にありがたい気持ちでいっぱいでした。皆さんもとても嬉しそうなお顔をされていましたが、多分一番嬉しかったのは僕です!(笑)
これは楽屋でほかの役者さんに言われた事ですが、開場待ちの皆さんが目の前を通る役者さんにきちんと挨拶をしてくださったり、終演後のマナーを守ってくださったり、とても良いと褒められましたよ。僕が何かをお願いしたわけではなく、すべて皆さんの自主的な行いでした。それなのに自分のことのように嬉しかったです。本当に本当にありがとうございました!!!

最後に、今回舞台を観に来ることが出来なかった皆さん、自分の観られなかった舞台の話をされて不愉快に感じているかもしれないと思うと、この場で書くのは正直躊躇われました。しかし、観に行けなかったからこそ様子を知りたい、という方もいらっしゃるかもしれないと思いまして、敢えて書かせて頂きました(おそらく今後も)。どうぞご了承ください。そして、いつの日か必ずお会いできる日が来ることを願ってやみません。

舞台「無頼の女房」は終わりましたが、楠田はこれからもより一層頑張りますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

追伸
ひとつお詫びです。千秋楽の終演後に声を掛けてくださった方々のうち最後の方の皆さんへ。本当はすべての方々に同じように時間を取りたかったのですが、実はあの後収録の予定がありましてちょっと時間を気にしていたものですから、急がせてしまいました。私の想像を超える人数で、しかも列が見えなかったため、ペース配分が掴めなかったのです。もしお気を悪くされた方がいましたら、本当にごめんなさい。時間の長短ではなく、すべてのみなさんと平等に接することが出来なかったのが申し訳なくて、加筆致しました。



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