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第142話  (※ 明日は投票日です!) 2004年07月10日(土)

例えば、あなたはある自動車会社の技術系の課長で、いつも一緒に仕事をする部下がいるとします。仕事はまだまだ半人前だけど、一生懸命ついてこようと頑張っている部下の姿に、いろいろアドバイスしたり、何かと面倒見てやりたくなります。

今度、新しく開発された新車種を販売することになりました。販売系と技術系の社員がチームになって、営業して回るのです。部長からの業務命令により、自分の部下は販売系の課長K氏と一緒に営業することになりました。部下の初めての単独の仕事に、あなたは「ちゃんと仕事をこなせるだろうか?」という不安がある一方で「厳しい状況の下で鍛えられてこい!」という気持ちにもなります。

そしてあなたも販売系の課長O氏とチームを組んで営業することになりました。あなたとO氏はベテランらしく、順調に売り上げを伸ばして行きます。しかし部下の方は、当初の心配通り、いつもと違う環境のため、なかなかうまくいきません。それをK氏は盛り立てて励ましてくれているようです。

最初は突然の環境変化に心を閉ざしていた部下でしたが、K氏のおかげでだんだん心を開いていくようでした。K氏と仕事をする部下はいままで見せたこともないような生き生きとした顔をしています。そしてK氏の自分に対する信頼感に部下は自信をつけ、売り上げを伸ばし、最終的にあなたのチームの販売台数を超えたのです。

さて、そんな部下やK氏を見守ってきた、あなたの心境は?ずっと一緒に仕事をしてきたけど半人前の部下。敢えて旅に出して鍛えることになった。そして今まで見せることがなかった力を発揮し、あなたのチーム以上に売り上げて帰ってきた部下。まだまだ一人前にはなれていないけど、その大きな成長振りを心から喜びたい。しかし、なぜか少し寂しい感じがする・・・・・。


数日遅れでアニメ「テニスの王子様」第142話を見ました。みなさんはどうお感じになられたでしょうか?宍戸の目が光ったり(赤じゃなくてホント良かった・・・)、目つきとか雰囲気とかすごく怖かった(というか笑った!)というのはこの際置いといて・・・・以前6月3日の小部屋に書いた僕が「感動した」というのは、宍戸の「オレも・・・オレもお前と思いっきりやってみたくなったぜ」(モノローグ、つまり独白です)に続く鳳のこのセリフです。「宍戸さん・・・俺は、今までずっと宍戸さんの背中を追いかけてきた・・・でもようやく分かった。それは・・・それは(ここまでモノローグ)・・・それはあなたを超えるためだ!」

ものすごく嬉しかったんですね、長太郎の気持ちが。そして何かちょっと寂しかった。でも嬉しかった・・・・。今までのいろんな場面が思い浮かんできて、そして「あぁ、とうとう・・・。」っていう気持ちが込み上げてきて・・・そしたらじわ〜っとして。

あ、だから「宍戸になりきって宍戸の気持ちで台本を読んで感極まりそうになった」というのは、厳密にはちょっと違いますね。宍戸は試合中ですから、長太郎の心の中までは分からない。だからアニメの宍戸はただただ好戦的です。ということは僕が感動したのは、宍戸を演じる楠田として、なんですね多分。もし宍戸が長太郎のあの気持ちを知ったらきっと喜ぶだろうな、という感動かもしれない・・・・・・・うん。


ただですね、「あれ?」っていう部分もありました。試合終了直後のやり取りの場面で鳳の「勝ちましたよ・・・」を受けて宍戸が「ああ・・・」って答えるんですが、収録時の画ではあんなに笑顔じゃなかったんですよ。「くっ・・・やられちまったな!悔しいぜ!」みたいなあんまり納得していないような苦笑いをしていたんです。

宍戸としては長太郎の成長を喜ぶ気持ちとか試合に負けた悔しさとかがいろいろ混ざって、とても複雑な心境だったと思うんですね。それであの「ああ・・・」だった訳です。だからオンエアのあの笑顔を見たときは正直驚きました!『それなら別の「ああ!」を持ってきたのになぁ!』って。
こういうことってベテランの役者さんにもたまにあるそうなので、仕方のないことなのかも知れません。ある役者さんは、すぐとなりの人に話し掛けてると思って収録したのに、オンエアでは崖上から崖下の人に向かって話し掛けてたそうです。これは役者からしたら大ショックですよ!!一体どこでどう行き違ったのか(笑)

ま、それはさておき、僕の予想ではあの後の会話はこうです。

宍戸 「でも長太郎、今日のはダブルスだったからな。今度はシングルスで勝負だ!」
鳳 「はい、宍戸さん!シングルスだって負けませんよ!」

みたいな感じかな(笑)。
その試合の結果は・・・・・ご想像にお任せします。(^^)


今日みたいなコメントを声を当てた役者がいちいち言うものではないとも思うのですが、あのままでは中途半端な感じがして自分自身気持ちが悪かったので、フォローのつもりで書かせて頂きました。特に今回の話は非常にメンタルな部分で重要だったし、それにここを読んでくださっているのは宍戸ファンの方々ばかりでしょうから。でも、ここまで書くことはもうないと思います。

あ、それから僕たち役者は基本的に頂いた台本は
(余程のことがない限り)絶対です。役者の提案でセリフの言い回しがキャラに合わせて変わることはありますが。ストーリー展開には疑問を抱かないことにしています。もし役者が「そういうことにはならないだろう?」と思ったまま演技したら・・・?リアリティがまったく無くなってしまうどころか、演出通りの芝居は絶対に出来ません。それでは作品は滅茶苦茶です。5−0から逆転負けしたことや突然のオーストラリアン・フォーメーションの成功などなど、いろいろありえないことも起こりますが、そこは純粋に「おお!」と受け入れる方向で!(笑)僕にとってはそれよりも、宍戸を登場させて頂いたことの方が嬉しいので。


ここでちょっと収録裏話を。菊丸の「宍戸っち」発言にはテストの時に全員爆笑でしたよ。高橋氏の言い方も可愛いしね。本当に菊丸は微笑ましいキャラクターですね。いつかも宍戸のことを「あの帽子くん」って呼んでましたっけ?

前に氷帝キャラのキーホルダーを役者さんに配ったっていう話をしましたが、ようやく鳳役の浪川氏に渡せました。とても喜んでくれて、どこに付けようかいろいろ考えてくれていましたよ。ちなみに樺地役の鶴岡氏も携帯に付けてくれてま〜す!
わざわざ見せてくれて、ありがとう!

この第142話は鳳にも宍戸にも、そして大石と菊丸にとっても、大きな転機になったと思います。そういう意味ではとても印象深い作品でした。宍戸はセリフ自体は多くはありませんでしたが、短いセリフの中にも熱い思いを一杯込めて演じたつもりです。
というか、朝から叫びすぎて声が嗄れましたよ!(笑)そんな頑張った記念に、この142話の台本の裏表紙には4人のサインがしてあります。収録直後に高橋氏、近藤氏、浪川氏にお願いしたところ、皆さん快く引き受けてくれました。ついでに僕も書かせてもらって・・・・大切にします。ここで見せられないのが残念です!


さてさて、今日のお題にも書きましたが、明日は「参議院議員選挙」の投票日です。有権者の皆さん、投票に行きましょうね!選挙のハガキには「伝えよう  自分の意思を投票で!」という標語が書いてあります。政治に対して、日本に対して意見があるなら、投票しましょう!投票せずして文句を言ってはいけません!いやマジで!

ちなみに東京の有権者数は1,015万人です。「その
中の1票にどれほどの価値があるのか?」と疑問に思われる方もいらっしゃるでしょう。確かに1票には政治の流れを変える力はないと思います、実際。しかしそれが集まった時に初めて、民意という大きな力となるのですよ。その原動力となるのが、あなたの1票なんです。最終的に自分の意思とは違う結果になることもありますが、しかし1票を投じたことに大きな意味があるんです。1票を投じたという責任がそこにはあります。日本国民として自分たちの将来を真剣に考えるきっかけにしましょう!



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