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終戦記念日に寄せて 2004年08月15日(日) その2

1冊の本を紹介します。サンマーク出版社から発行されている朗読ブック「月光の夏(毛利恒之著、全142ページ)です。これは先月、朗読劇の台本を探していて、たまたま書店で目に止まった本です。多くは語りません。是非とも一度読んでみて頂きたいのです。多くの人々を巻き込む戦争が如何に愚かなことか、きっと解ってもらえると思うから。参考までにブックカバーと冒頭に書かれた文を引用します。(ご興味のある方は本文のプロローグもどうぞ)


「死ぬ前に、ピアノを弾かせてください!」
二人の若き特攻隊員は、ベートヴェンの「月光」を弾き、出撃していった。
愛する者とふるさとの山河を護るために、ともに死のうと誓いあった彼らの前途には、
過酷な運命が待ち受けていた。
戦死した者にも、生き残った者にも、戦争は非情、無残であった・・・・・・。


この物語は
実話をもとに
事実に拠って
創作されたものである

戦争犠牲者の
死を悼み
世界の
恒久平和をねがって

特攻で征き逝きし
六千人の若人(わこうど)
その母に
捧げる


今日は終戦記念日です。記念日と言えばお祝い事が普通なのに、なぜ敗戦したことを記念日にして後世に残したのか。その意味をよく考えてみる必要があると思うのです。

人はなぜ戦争をしなければならないのでしょう?僕には戦争がどのようなものか、想像することしか出来ません。大義名分の下に人が人を殺す行為。好き好んで無差別に殺人する人なんてこの世にいる訳ない。では、人を殺してまで主張を貫こうとさせるのは一体なんなのでしょう?プライドですか?欲ですか?信仰心ですか?理由は何であれ、こんなに愚かしい行為はありません。

日本は第二次世界大戦の敗戦国になって、戦争を放棄しました。外国から見れば平和主義の民族のように見えるでしょう。しかし本当にそうでしょうか?戦争の真実を知らない僕らの世代は、戦争というものの重大さもやはり知らない。まるでゲームのような感覚で捉えている人だっているのではないでしょうか。何かの弾みで(それは外国からの圧力の可能性だってある)、いつ軍事国家になってしまうかも知れない。そういう危険性がないとは言い切れないと思うのです、僕らの世代は。テロに屈しないと言うけれど、本当に日本国内で爆弾テロが起こって一度に何百人も何千人も命を落としたら・・・・もしそれが自分の家族だったら、と考えると、本当に恐ろしい世の中だと思います。

暴力や武力でしか解決できないのでしょうか?何を変えれば戦争のない世の中になるのでしょうか?真剣に考えませんか。諦めてはいけないと思うのです。



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